飲食店ユニオンは昨年8月から株式会社かつやと団体交渉を行なってきました。


発端は昨年4月の緊急事態宣言下で、かつや都内店舗において事実上店長の役割を担っていた社員A氏が、発熱があり新型コロナ感染疑いの症状を示していたにもかかわらず複数回出勤したことでした。社員A氏の上司にあたるエリアマネージャーは、A氏の発熱を知っていたにも関わらず出勤を命じたのではないかと考えています(会社は出勤するなと指導したと主張しています)。また、発熱の事実を正直にアルバイト従業員に告知したA氏のことを咎めました。

 

発熱・コロナ感染疑いの社員A氏が出勤した同じ店舗で、厨房のエアコンと従業員が休憩する事務所スペースのエアコンが故障しているのを、社員は知っていたにもかかわらず長い期間放置していました。冬場は寒い中で休憩をとらなくてはならず、夏場は業務用のフライヤーが高温であるため、厨房の気温は熱中症の危険が伴うほど上がっていました。


昨年8月からの団体交渉において株式会社かつやの使用者責任違反、安全配慮義務違反に抗議するとともに改善を強く求めてきました。その結果、発熱のある社員の自粛・出勤禁止の徹底を約束していただきました。従業員が休憩をとるスペースのエアコンも修理していただきました。

しかし未だに厨房のエアコン故障は改善されていません。厨房の天井に設置されているエアコンの送風口2箇所のうちフライヤー近くの送風口からはまったく送風されません。もう1箇所の送風口から出る風も正常なレベルではありません。厨房の温度チェックを会社に実施していただいたところ、外気温の最高気温20度の日にフライヤー近くの厨房温度は28度でした。これから湿度の高い梅雨を迎え、本格的な暑さの夏が到来します。外気温30度以上になる日の厨房の温度は熱中症の懸念がある危険水域に達するはずです。


昨年8月からの団体交渉を通じて改善要求してきたにもかかわらず、9ヶ月たった現在も改善されていません。はたして株式会社かつやには、使用者責任や安全配慮義務という概念があるのか疑問に感じることを禁じ得ない状況です。

 

今後飲食店ユニオンは、株式会社かつやが、当該店舗の従業員の安全配慮に懸念があるすべての状況について改善しなければ、団体交渉を通じて厳しく抗議するとともに強く改善要求していくつもりです。

 

 

 

追記

6月に、会社から店舗厨房のエアコンを修理した旨の回答を得ました。しかし、組合員の体感ではあまり室温は変わっていないため、具体的に室温がどう変化したのか、検査を行うよう会社に要求中です。